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 杉谷ひろば 2020年4月号 No.109
 向日市・2020年度予算・・・子育て支援の強化求める

  向日市議会の3月定例会で、2020年度予算が成立しましたが私は、①市民の求める子育て支援策が盛り込まれていない、②懸案のJR向日町駅東口開設事業は、向日市が責任をもって説明できる内容でなく、現時点で承認できない、③国民健康保険料の負担軽減策がなく、さらなる値上げになる、などの理由から反対しました(詳細2面参照)。

水道料金は大幅値下げ

 水道料金の条例改正は、一般家庭では京都府営水道の受水費の値下げ幅を上回る大幅値下げとなる世帯が多いことから賛成しました。4月からの新年度は、市役所新庁舎の完成、市南部の浸水対策となる公共下水道工事の完成などが期待されます。また「ぐるっとむこうバス」を育て、既存路線バスを守ることが今後の課題です。 (3月21日・杉谷伸夫

今号のコンテンツ

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◆ 新型コロナの不安に乗じた緊急事態宣言の怖ろしさ

 3月初旬からの全国一律休校の要請は、安倍首相の独断でした。科学的根拠が無いことは、多くの専門家も指摘しています。その結果、全国の大半の小中学校が突然休校に追い込まれ、社会は大混乱し、生活が苦境に立つ人も生まれました。
 3月13日、新型コロナ感染症に関して首相が緊急事態宣言を行えば人権制限も可能となる法改正が行われました。首相が宣言すれば、都道府県知事が住民の外出自粛や、学校、老人福祉施設などの使用停止、イベントなどの開催制限などを要請・指示し、従わない場合は罰則もあります。
 専門家会議の意見を聞いて決定した政府方針を一夜にして独断で覆し、全国一律休校を発表するような首相が、市民の権利や自由を制限する緊急事態宣言を独断で行使すれば、本当に怖ろしい事態となります。新型コロナへの市民の不安に乗じて「非常時には人権の制限も当然」という社会にしないようしっかり声を上げたい。


◆ 向日市・新年度予算の問題点と私の意見

1 市民が求める子育て支援策を!

 市長は「子育て支援が本市の最優先課題である」と答弁しましたが、予算はそうなっていません。
 中学生までの医療費無償化は、市民の請願が昨年の議会で採択されたのに、実施しませんでした(1年以内に実施めざすと議会の途中で表明)。
 保育所入所を希望しながら入所できなかった実質的な待機児童が84人います。待機児童解消には、保育士の確保が課題になっていますが、そのための新たな施策はありません。1年後に「また待機児童解消できませんでした」では済みません。
 すべての幼稚園児の保護者に年間42,000円助成していた教材費補助を原則廃止しました。無償化で生み出された幼児教育のための財源は、幼児教育の充実に使うべきです。

2 JR向日町駅東口開設
  市負担が当初の2倍。責任持てる提案を!


 JR向日町駅東口開設事業は、36階建ての駅ビルを含む総事業費230億円と本市が当面する最大の事業ですが、市の財政負担見込みは32億円と、いつのまにか構想段階の2倍になっています。しかも市として責任をもてる内容説明がなされていません。関係者合意の上でしっかりした事業内容を示さない段階で、予算承認できません。

3 向日市観光交流センターに不安の声

 JR向日町駅北方に建設が始まった観光交流センターは、この夏に完成予定ですが、今のままでは投資に見合う効果どころか、経営の継続性自体を不安視する声が出ています。利用状況を議会に報告するとともに、活用方法については市民の意見を聞いて柔軟に対応していくことが必要です。

4 国民健康保険料、また値上げ

 向日市の国民健康保険料は、この3年間の大幅値上げで、府内で最も高い水準となりました。夫婦2人、夫が所得200万円の世帯の保険料は、約36万円、所得の2割近い保険料です。制度を作っている国の責任ですが、自治体にも裁量の余地があります。これからもその努力を求めてゆきます。

5 その他の事業について、私の意見 

●市役所庁舎が年内完成へ
 現在建設が始まった新庁舎は、今年中の完成予定です。省エネ・断熱のZEB仕様で設計・建築されます。地球温暖化防止を進める姿勢を示す象徴として活用したいものです。
 5階の展望レストランは、これまで公共施設の飲食施設の撤退が相次いでいるので、過去の調査を踏まえ、教訓を生かしていただきたい。

●水道料金を大幅値下げ
 平均7.7%、最大20%の大幅な値下げを評価します。今後は基本料金を下げて、少量使用者にとって割高な料金体系の改善が必要です。

●ごみ削減:指定ごみ袋を試行配布
 向日市ではこの数年、1人あたりの家庭ゴミ量が増加に転じています。透明ごみ袋の指定は、効果を測定し、市民の意見を聞きながら前向きに取り組んで頂きたい。資源ごみの分別出しをしやすくする対策も必要です。また次のステップとして、従来より訴えている古紙類の回収、特に住民団体による集団回収への支援策をぜひ実現したい。

●防災・浸水対策に期待
 いろは呑龍トンネル南幹線に接続する、和井川1号幹線の整備が今年度完了の予定です。市南部の住民にとって、浸水被害の危険が大きく減少することを期待します。また、被災した市民への支援策づくりをぜひ進めたいと思います。

●ぐるっとむこうバス
 昨年10月に運行開始しましたが、厳しいスタートとなりました。市民に活用されるバスにしてくため、市民から提案されている利用促進策を積極的に採用するとともに、市民への広報が大切です。
 また長岡京方面をつなぐ阪急の路線バス77、78系統は、極めて重要な路線です。何としても守る必要があります。


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◆ 杉谷伸夫の議会報告 一般質問より

 向日市議会の3月定例会で私が行なった一般質問と答弁の一部を報告します。

地球温暖化対策:気候非常事態に、本腰で取り組め

問: 地球温暖化防止をめざすパリ協定がスタートした。今世紀後半に温室効果ガス排出量を実質ゼロにしなければ、地球環境は後戻りのできない危険がある。本市の見解と取り組みはどうか?
答: 気候変動がもたらす脅威から市民の生命、財産、健康を守ることは行政としての使命だ。2年後の環境基本計画策定にあたって、市民公募や商工会への協力依頼、さらに環境に関心の高いグループの方への呼びかけを行う。教育現場と連携し、可能な限り積極的な参加体制が整うよう努める。

子育て支援は最優先課題: 議会で採択した市民請願の実現を!

問: 昨年12月、議会は「中学校卒業まで医療費を無料にすることを求める請願」を採択しました。早急な実施を求める。
答: 答:2020年度に中学生の医療費自己負担額を200円に引き下げるよう準備を進めたい。
問: 向日市は、1人当たり年間42,000円の幼稚園教材費補助を廃止する方針だが、子育て支援の趣旨に反するのではないか?
答: 答:補助を廃止しても保護者の負担が増えることはない。補助を継続することに、市民の理解を得ることは難しい。・・・(私)幼児教育の充実に予算を充てるべきだ!
問: 公立保育所でも、紙おむつの処分やお昼の主食(ご飯)の提供など、サービスの改善をおこなうべきではないか?
答: 保護者の皆様のいろんな意見を聞きながら引き続き検討していこうと話し合っている。

生活保護行政の改革:なぜ職員をここまで追い詰めた?

問: 昨年6月に起きた生活保護ケースワーカー事件から見えた向日市の生活保護行政の課題についてどう考えているか?
答: 答:ケースワーカーを生活保護業務の中で孤立させてしまった原因は、適切な組織的対応が行われなかったことであると考えている。不当要求の芽を摘むことなく、追い詰め、守り切れなかったことに対し、自責の念に駆られる。3月中に事件の検証委員会の報告書をとりまとめ、その後速やかに公表したい。・・・(注)検証委員会報告書は、3月26日に公表されました。

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◆ 生活保護ケースワーカー事件:なぜ私は注目しているか

  昨年6月に起きた、生活保護ケースワーカーが関わった遺体遺棄事件について近々、検証委員会の報告が予定されています。二度とこのような事件を起こさないよう、向日市行政の改革が求められています。
 この若手職員は、過去に2人も傷害致死事件を起こした元暴力団員の男から、毎日2時間以上もの電話で不当要求を繰り返されていました。同じ職場で日々一緒に働く部下や同僚が、このような異常な状態で苦しんでいても助けることができない職場環境で、果たして市民によりそった仕事ができでるしょうか。向日市の組織の問題です。また若手職員は「自己申告書」で、この男から個人的な関係の構築を強要されて不眠が数日続くなど精神的に異常があるが、休職にでもなったら職場が崩壊するから受診も出来ないと訴えていました。にも関わらず手をさしのべない組織に、職員は安心・信頼を持って働けるでしょうか。
 生活保護行政だけで無く、向日市行政全体が問われていると思います。   (杉谷 伸夫)

◆ 暗雲垂れ込める4月 

 コロナウイルス旋風が吹き荒れ、世の中が沈殿している。その中で苛々している安倍首相の姿が、ついに断末魔のように見えてくるのは私だけだろうか。
 1月中旬に国内初の感染者が出ているのに、すべて対策が後手後手に回っているように思う。猛威をふるっている中国からは、すべて入国拒否をしなくてはならなかったのに、できなかった。それは4月に、国賓として中国の習近平主席を招いていたために、思い切ったことができなかったのだろう。それに横浜に接岸したクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号への対応もまずかった。海外メディアからの批判が集中し、世論調査では内閣支持率が大幅に下落し、地方からも一歩踏み込んだ対応をという不満の声が上がった。危機管理での政府の失策は、大打撃になったと思う。
 それに対し慌てたように、首相の独断で2月末「一斉休校」を打ち出した。専門家会議も通さず、側近中の側近である経産省出身の今井尚哉首相補佐官の強い後押しがあったからのようだ。
 安倍首相が焦る気持ちになるのは、7月のオリンピックが頭にあるからだと思う。2013年、安倍首相が強引に「福島原発はコントロールできている」と発言し、誘致に成功したのだ。今年の3月11日は震災の9年目であるが、いまだ復興とは言えないのが現実である。しかしオリンピックの聖火リレーは、福島からスタートするという。避難指示の出た11市町村を走ることは、復興しているように見せる偽りの姿を示すだけになるのではないか。人は戻らず、商店も消え、復興とは言えない状態なのに。しかし、初めから無理のあったオリンピックは、コロナウイルスの流行でできなくなるのではないか。
 それに急に安倍首相が、新型コロナ特措法改正法を成立させたのには驚かされた。わずか3日の審議で成立させていいのだろうか。国民の権利を制限し、NHKだけでなく民放にも介入できるという。安倍首相の焦りの現れであるような急な法案に、怖ろしさを感じる。コロナウイルスより怖ろしいということにならないことを願う。


◆ 森友自殺財務省職員の遺書 「すべて佐川局長の指示」
   公文書改ざんの真相究明を! 


 2年前に自殺した元近畿財務局職員・赤木俊夫さんの妻が、国と佐川宣寿・元理財局長を提訴し、遺書全文を公表しました。遺書には、佐川元理財局長の指示で「国有地売却で森友学園に厚遇したと疑われる部分すべて」の修正を何度も行った経過や、佐川氏が国会で全くの虚偽答弁を行っていること等について、克明に記されています。そして「(改ざんに)抵抗したとはいえ関わった者の責任の取り方」として自死を選んだことが述べられています。仕事に誇りをもってきた職員をここまで追い込んだ財務省幹部と責任者の麻生財務相、安倍首相の責任は重大です。安倍政権の下で公文書の改ざん・廃棄が続いており、赤木さんの死をもっての告発に応える真相究明が必要です。


◆ 安田市長また秘密にタイ訪問

 安田市長が、2年前に続いて1月末にこっそりとタイ王国のチェンマイに行ってました。私は3月17日の議会最終日の前日にそのことを知り、市長本人に問いただしたところ、行ったことは認めた上で、「私的旅行なので説明の必要は無い」との見解で、詳しい説明はありませんでした。
 しかし1月末は予算編成の大詰めで忙しく、新型コロナウイルス問題が大きくなってきていた時期です。そんな時期に幹部職員を連れて、前回公式訪問した所へ行っておいて、私的旅行だから説明の必要は無いとは言えません。
 2年前、議会に秘密にタイを訪問したことが明るみになり大問題になった時、市長は「今後このような場合があれば事前に必ず議会に報告する」と答弁しました。それなのに、信じられない思いです。市民からも議会からも、疑念を持たれることがないよう、説明が必要です。

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