2021年10月14日
向日市議会議員 杉谷伸夫

2022年(令和4年)度予算要望書
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 2022年度は、継続した新型コロナ感染症対策(感染抑止対策と打撃を受けた市民生活・事業活動への支援)が求められるとともに、格差拡大の下で市民生活を支える福祉の更なる充実が何より必要です。一方JR向日町駅周辺開発をはじめとするまちづくり事業については、積極的な市民への説明と合意作りが求められます。
 こうした向日市の行財政上の課題解決を、市民の声と力を活かして進めて頂きたく、2022年度(令和4年度)予算に対し下記の通り要望します(概ね所管部署毎に要望事項をまとめました)。
 よろしくご検討頂きますようお願いします。また各要望事項の検討結果について回答を頂きたく要望します。

注記  (新):昨年の要望に無い新しい事項
(拡):昨年の要望より拡大した事項
(継):昨年よりの継続要望事項



■ふるさと創生推進部関係

●市民参画
(拡)公民館・コミセンにAV機器、プロジェクターの配備、Wi-Fiの整備を進め、ICT環境の整備を行うこと
(継)市民活動センターを、公民館に間借りでなく設置すること

●人権施策
(新)新たに施行された「向日市の感染症感染者等の人権擁護に関する条例」に基づく、人権啓発事業を新年度に必ず実施すること
(継)性の多様性を認め合う社会にむけた啓発事業を継続すること

●人事
(拡)行政水準向上の鍵は、職員の専門性を高めることにある。個々の職員の適正に応じた人事配置と、専門性の向上ための研修等を実施すること。また、職場としての専門性・ノウハウの継承・蓄積を保障する人事政策をおこなうこと
(継)生活保護ケースワーカーのSOSに対応できなかった人事管理体制の課題克服のため、新たな自己申告制度の検証を行ない、改善を進めること
(継)職員のメンタルヘルスの向上、職場の安全衛生環境の確保のため、法令で義務づけられた衛生委員会の毎月開催を継続し、安全衛生計画の作成・実施・評価・改善を着実に実施すること

●公聴・広報
(新)徹底した情報公開を進め、市民への説明責任を果たすこと。新しい施策については、積極的な合意形成にむけて、経緯と目的・狙い等について説明文書と資料をつけて提示するシステムを確立すること
(新)審議会等の資料は原則として速やかにWEB上に情報公開し、市民のアクセス権を保障すること
(継)新型コロナ感染症対策に係る市民への支援策について、案内チラシの全戸配布やSNSの活用など、すべての市民にもれなく情報が行き届く対策を引き続き講じること

●若者政策
(継)市の施策から抜け落ちがちな若者(16歳~20歳代)の要求を把握し、若者固有の課題への対応を進めるための「若者政策」担当を設けること

■総務部関係

●総務全般
(新)向日市の行財政情報を積極的に市民に公開・共有できるオープンデータ・システムを構築すること
(継)リモート会議システムを運用し、業務の効率化を進めること

■市民サービス部関係
●高齢者支援
(拡)高齢者の見守り強化のための配食サービスの利用拡大へ、数年前に縮小された市の補助金割合を復活し、個人負担金の減額をおこなうこと。利用者の選択範囲の拡大、利用者の希望に添ったサービスの拡大を図ること
(拡)高齢者の見守り活動の一環として、高齢者ごみ出し支援を地域のボランティアのみに頼ることなく、市の事業として全市的に実施すること

●障がい者支援
①児童発達支援
(継)週1回(月5回)の利用回数基準を撤廃し、利用する児童の必要に応じた支援を提供できる体制をつくること(国基準では月22回程度)
(継)まずは利用可能回数を週2回に拡大すること。せめて幼稚園・保育所などに通所していない無所属児童に関して、週2~3回の利用を認めること
(継)多胎児の利用料について、出生順を問わず第2子軽減を適用すること
(継)乙訓地域に児童発達支援センターを設置するよう努力すること。向日が丘支援学校への設置を求めること

●子育て支援
①保育所
(新)未来の保育士奨学金制度の効果を検証し、保育士確保に実効性のある制度への拡充を行うこと
(継)公立保育所の老朽化した施設・設備の計画的補修・改善を進めること
(継)公立保育所保護者会の要望に応え、公立保育所においても、多くの民間保育所で実施されている利用者サービスを実施すること
・紙おむつの園での処分の早期実施
・ふとんのレンタル
・温かい主食の提供
(継)待機児童の解消にむけ、未来の保育士奨学金制度の他に、実効性ある保育士確保策を実施すること。保育士確保のため民間保育所が保育士の待遇改善を進めるための補助事業を実施すること
(継)療育手帳・障がい者手帳の所持を入所判定の調整指数の点数に加えること。これらの児童は、幼稚園に受け入れてもらえないことが多く、保護者が就労できない⇒保育所に入所できないという悪循環となる。京都市では入所判定の調整指数の点数に加えている。
②子育て支援
(新)新規事業である要保護児童見守りサービスの事業効果を検証すること
(新)児童虐待の防止へ、家庭児童相談室の人員体制強化と、専門性を蓄積できる正規職員を育成すること
(継)子どものことがすべてワンストップで相談できる「子育て総合相談窓口」を設置すること
(継)子育て支援医療費助成を市独自で18歳まで拡大すること
(継)子どもが自由に遊べる児童公園を設置すること

●保健衛生
(拡)新型コロナ感染症の第6波に備え、以下の施策を早急に実施するとともに、国の施策として実施するよう強く求めること
①医療関係者や介護・保育・教育関係者など、人と多く接する職種の人に、定期的にPCR検査を実施すること
②新型コロナの感染拡大防止に対してワクチン接種の効果は限定的であることから、感染者の早期発見が重要であることを踏まえ、希望する市民がPCR検査または抗原検査を安価に受検できるよう、市の補助制度を創設すること
③「ワクチン・検査パッケージ」は、現状の無料のワクチン接種と、高額で不便な検査体制の下ではワクチン非接種への不利益扱いにしかならない。万一本市の施策として実施する場合は、無料または低額・簡便な検査の提供を前提として行うこと
(継)健康寿命を保つため予防医学の視点に立った専門的な保健指導を重視し,生活習慣の改善や健康体操など小地区単位の取り組みを増やすための予算配分を行うこと

●生活困窮者支援
(新)エアコン未設置の生活困窮世帯、児童扶養手当受給世帯、高齢者世帯が新たにエアコンを購入・設置する場合の補助制度を創設すること
(新)生活保護が、憲法で保障された国民の権利であることを明記することなど生活保護のしおりを見直し、制度の利用率を上げること
(新)生活保護利用の大きな障害となっている扶養照会を行わないこと
(継)「向日市の生活保護を考える会」を、市民協働のパートナーの一つとして位置づけ、市民とともに生活保護行政の改善を進めること
(継)ケースワーカーへの専門研修の実施、対外研修の機会を保障し、職員の専門性の向上を進めること

●国民健康保険事業
(継)子育て世帯の経済的負担を軽減するため、子どもに係る国民健康保険料の均等割額の軽減、多子世帯に対する保険料負担軽減策を講じること。国による軽減制度が設けられるまでの間、市の独自補助制度を創設すること

●介護保険事業
(継)予防を重視した事業予算の配分をおこなうこと
(継)地域健康塾、派遣型地域健康塾事業を拡大すること
(継)高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう小規模多機能型居宅介護支援を充実させること
(継)市の独自事業として、介護保険料負担金軽減給付事業を創設すること。住民税非課税者に対し、介護保険料負担軽減給付をおこなうこと

■環境経済部関係

●商工・労働
(継)向日市公共調達基本条例を発展させ、最低賃金条項を含む公契約条例を制定すること
●防災
(新)JR西日本向日町運転所を、桂川浸水災害時の臨時の避難所とできるようJR西日本との協定を結ぶこと
(新)防災マップの多言語対応を行うこと。まずは市のホームページに多言語対応の防災マップを掲載すること
(新)リスクの高い若狭湾の老朽原発が再稼働されつつある事態を受け、原発事故時の避難者受け入れ計画の見直しと訓練をおこなうこと。本市の市民が避難する事態を想定した避難計画を検討すること
(継)災害時の被災者の生活再建へ、京都市並みの被災者支援施制度を創設すること
(継)災害時の要配慮者の避難計画を策定すること

●環境衛生
(新)向日市地球温暖化対策実行計画(区域施策編)を、次期環境基本計画の最重点計画として策定すること
(新)向日市として「気候非常事態宣言」を発し、市民とともに危機意識をもって温暖化対策を進めること。市民委員・専門家などで構成する常設の「向日市環境審議会(仮称)」を設置すること
(拡)向日市の環境配慮方針を策定し、市の施設の電力調達にあたっては、再生可能エネルギー調達を優先した入札方式を採用すること
(継)法定義務のある、向日市地球温暖化対策実行計画(事務事業編)を早急に策定し、計画に基づく事業を実施すること
(新)向日市域の古紙類の資源回収に行政が責任をもつことを明確にすること。古紙回収事業者と協力して、古紙の資源回収がされない地域をなくすこと
(継)子ども会・自治会・その他地域団体等による古紙集団回収への助成制度を創設すること。そのことにより、古紙の資源回収率を把握・向上させるとともに、地域団体の活動への支援を行うこと
(継)資源ゴミ出し時間を、午前6:30からに早めること(シルバーさん個人が献身的に早めに行って対応している場合が多い)
(拡)動物愛護の啓発を強化し、犬猫の去勢・避妊費用の助成制度の拡充と制度の周知に努めること

■建設部関係

●まちづくり
(新)JR向日町駅東口開設事業については、基本計画の公表に際し、事業内容ごとの事業費・財源の内訳見込みについて明らかにすること
(継)想定されるタワーマンション計画に関し、市民の不安・疑問に対し継続して丁寧な説明・対話をおこない、市民の理解・合意作りに努めること
(継)都市計画変更決定により直接的な利害がある近隣住民に対し、市の相談窓口を設けて対応すること
(拡)JR向日町駅東口開設事業の基本計画の公表を機に景観シンポジウムを開催し、向日市のめざす景観政策を市民参加で進めること
(拡)西向日の桜並木の景観保全のため、市が作成した「桜の状況と保全管理方法のガイドライン」に基づく中期的な保全計画を策定すること。老木の植え替えを初めとした事業予算を計上し、年度計画を地域住民の理解を得て策定・実施すること

●公共交通
(継)コミュニティバス事業は、利用者の拡大に最重点を置き、両周り運行への拡大などの利便性の向上、料金の見直し、回数券やシニア割引券など積極的な利用促進策を図ること

■教育部関係

●学校教育
(新)ICTを活用した教育への教員の支援と、オンライン授業の実施が可能となるよう、教員によるプロジェクトチームの他、専門のICT支援員を配置すること
(新)低所得の子育て世帯への支援を漏れなくするため、就学援助制度の説明と申請案内を、入学時だけでなく進級時等、随時おこなうこと
(新)学校図書館の充実にむけ、まず小学校からはじめ、各校に学校図書館司書をフルタイム配置を行うこと
(継)学校体育館は災害時の避難所に指定されていることからも、体育館へのエアコン設置を順次進めること
(継)教員の更衣室やPTAの部屋など、児童が使用しない部屋にもエアコンを設置すること(夏の猛暑の中、エアコンのない部屋でPTA役員は作業をおこない、教員は体育の後、窓も開いていない部屋で着替えている)
(継)学級人数は20人程度を基本とし、最大30人定員とすること
(継)過剰なクラブ活動は抑制し、児童生徒・教員の健康を保護すること
(継)スクールソーシャルワーカーの配置を拡充すること(見えにくい貧困や虐待などの問題に気付けるのは学校であり、専門家の配置が必要。教員の負担軽減にもなる)
(継)教員の時間外労働の実態把握を踏まえ、時間外労働の大幅削減にむけた人員体制等の見直しを進めること
(継)給食費・修学旅行費をはじめ、すべての義務教育にかかる費用を無償化するよう国に求めること。実現するまでの間、市として部分的無償化を実施すること
(継)性の多様性を認め合う学校での教育を実施すること
(継)2019年に子どもの貧困対策法が改正され、基本理念に子どもの権利条約の精神にのっとり子どもの最善の利益を実現することが明記されたことを踏まえ、子どもの権利条約に関する啓発事業をおこなうこと

●幼児教育
(拡)幼児教育無償化に伴って廃止された私立幼稚園の教材費補助事業費を活用し、低所得世帯への幼児教育支援助成や、私立幼稚園の環境整備等への支援事業にあてること
(継)2歳児の幼児教育を行う私立幼稚園への補助をおこなうこと。現行の2歳児の幼稚園型預かり事業がわずかしか利用されていない現状をふまえ、対象を拡大し、利用しやすい制度と運用にすること

■上下水道部関係

●水下道事業
(継)水道料金、下水道料金は、少量使用世帯に極めて割高な料金体系を是正するため、基本料金を引き下げること