2022年10月11日
向日市議会議員 杉谷伸夫
2023年(令和5年)度予算要望書
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 2023年度は、新型コロナ感染症対策(感染抑止対策と打撃を受けた市民生活・事業活動への支援)が引き続き求められるとともに、格差拡大の下で市民生活を支える福祉の更なる充実が何より必要です。一方JR向日町駅周辺開発をはじめとするまちづくり事業については、積極的な市民への説明と合意作りが求められます。
 こうした向日市の行財政上の課題解決を、市民の声と力を活かして進めて頂きたく、2023年度(令和5年度)予算に対し下記の通り要望します(概ね所管部署毎に要望事項をまとめました)。
 よろしくご検討頂きますようお願いします。

注記
 (新):新しい要望事項
 (拡):昨年の要望より拡大した事項
 (定):実施しつつある事業の定着を求める事項
 (継):昨年よりの継続要望事項


              記


■ふるさと創生推進部関係
●市民参画
(継)すべての公民館・コミセンにAV機器、プロジェクターの配備、Wi-Fiの整備を進め、ICT環境の整備を行うこと
(継)市民活動センターを、公民館に間借りでなく設置すること
●人権施策
(継)性の多様性を認め合う社会にむけた啓発事業を拡大実施すること
●人事
(継)行政水準向上の鍵は、職員の専門性を高めることにある。個々の職員の適正に応じた人事配置と、専門性の向上ための研修等を実施すること。また、職場としての専門性・ノウハウの継承・蓄積を保障する人事政策をおこなうこと
(新)福祉専門職の継続的な採用に努めること
(定)自己申告制度の運用の検証を行ない、生活保護ケースワーカーのSOSに対応できなかった人事管理体制の課題の克服、改善を進めること
(定)職員のメンタルヘルスの向上、職場の安全衛生環境の確保のため、法令で義務づけられた衛生委員会の毎月開催を継続し、安全衛生計画の作成・実施・評価・改善を着実に実施すること

●公聴・広報
(新)すべての部署で、市民への積極的な情報発信を行い、市民との情報共有に努めること。市民生活に関わる行政情報は最大限WEB上に公開し、市民が容易に知ることができるようにすること
(継)市民の知る権利を保障し、市の説明責任を果たすため、徹底した情報公開を進めること。新しい施策については、積極的な合意形成にむけて、経緯と目的・狙い等について説明文書と資料をつけて提示するシステムを確立すること
(定)審議会等の資料は原則として速やかにWEB上に情報公開し、市民のアクセス権を保障すること
(定)新型コロナ感染症対策に係る市民への支援策について、案内チラシの全戸配布やSNSの活用など、すべての市民にもれなく情報が行き届く対策を引き続き講じること

■総務部関係
●総務全般
(新)改正個人情報保護法に対応する向日市個人情報保護条例の改正にあたっては、市民の個人情報保護の水準が低下しないよう、必要な規定を設けること。新条例の施行以降も、向日市個人情報保護審議会の意見を聞きながら、個人情報保護事務の運用に努めること
(継)向日市の行財政情報を積極的に市民に公開・共有できるオープンデータ・システムを構築すること
(継)リモート会議システムを運用し、業務の効率化を進めること

■市民サービス部関係
●高齢者支援
(拡)高齢者の見守り強化のための配食サービスは、利用回数の大幅増加が実施された。次のステップとして、利用者の希望に添ったサービスの拡大を図ること。また、数年前に縮小された市の補助金割合を復活し、個人負担金の減額をおこなうこと。
(拡)高齢者の見守り活動の一環として、高齢者ごみ出し支援を地域のボランティアのみに頼ることなく、市の事業として全市的に実施すること

●障がい者支援
①児童発達支援
(継)週1回(月5回)の利用回数基準を撤廃し、利用する児童の必要に応じた支援を提供できる体制をつくること(国基準では月22回程度)
(継)まずは利用可能回数を週2回に拡大すること。せめて幼稚園・保育所などに通所していない無所属児童に関して、週2~3回の利用を認めること
(継)多胎児の利用料について、出生順を問わず第2子軽減を適用すること

●子育て支援
①保育所
(新)待機児童の完全解消を目標設定すること
(新)未来の保育士奨学金貸与事業を、保育士志望学生に魅力有る水準にまで額と対象者の拡大を行い、保育士確保に実効性のある制度とすること
(継)保育士確保にむけた民間保育所が保育士の待遇改善を進めるため、各種の補助事業を実施すること
(継)療育手帳・障がい者手帳の所持を入所判定の調整指数の点数に加えること。これらの児童は、幼稚園に受け入れてもらえないことが多く、保護者が就労できない⇒保育所に入所できないという悪循環となる。京都市では入所判定の調整指数の点数に加えている。
(継)公立保育所の老朽化した施設・設備の計画的補修・改善を進めること
(継)公立保育所保護者会の要望に応え、公立保育所においても、多くの民間保育所で実施されている利用者サービスを実施すること
・温かい主食の提供
・(希望者への)ふとんのレンタル

②子育て支援
(新)子どもが自由に遊べる児童公園の設置にむけた構想をつくること
(新)一歳までの子どものいる全世帯へ一年間無償でおむつを定期的に配布すること
(継)児童虐待の防止へ、家庭児童相談室の人員体制を強化し、専門性を蓄積できる正規職員を育成すること
(継)子どものことがすべてワンストップで相談できる、「子育て総合相談窓口」を設置すること
(継)子育て支援医療費助成を市独自で18歳(高校在学年齢相当)まで拡大すること

●若者支援
(継)市の施策から抜け落ちがちな若者(中学卒業~20歳代)の要求を把握し若者固有の課題への対応を進めるための「若者政策」担当を設けること
(新)中学生以上の子ども、若者が自由に無償で利用できる居場所を創ること
(新)引きこもりの方(若者だけでなく)への相談支援は事務的な窓口だけでなく、家を出て自由に過ごせる「場」づくりを進めること

●保健衛生
(継)新型コロナ感染症対策の基本である、必要とする方は「いつでも、誰でも、何回でも」無料の検査を実施できる体制を国・府に求めること
①医療関係者や介護・保育・教育関係者など、人と多く接する職種の人に、定期的にPCR検査を実施すること
②新型コロナに感染し、「自宅放置」される方を生み出さないこと

●生活困窮者支援
(新)生活保護が、憲法で保障された国民の権利であることをホームページで啓発するとともに、それを明記した「保護のしおり」を改正し、必要とする方が利用しやすくすること
(定)「向日市の生活保護を考える会」を、市民協働のパートナーの一つとして位置づけ、市民とともに生活保護行政の改善を進めること
(継)エアコン未設置の生活困窮世帯、児童扶養手当受給世帯、高齢者世帯が新たにエアコンを購入・設置する場合の補助制度を創設すること
(継)生活保護利用の大きな障害となっている扶養照会を行わないこと
(継)ケースワーカーへの専門研修の実施、対外研修の機会を保障し、職員の専門性の向上を進めること

●ゆめパレアむこう
(新)市民温水プールは、利用者・市民の要望に従って同規模での建替方針を早急に示し、利用者・市民が参加する検討委員会で建替計画の検討を進めること

●国民健康保険事業
(継)子育て世帯の経済的負担を軽減するため、子どもに係る国民健康保険料の均等割額の軽減、多子世帯に対する保険料負担軽減策を講じること。国による軽減制度が設けられるまでの間、市の独自補助制度を創設すること

●介護保険事業
(新)2024年度からの介護保険制度改悪(①利用料の原則2割化、②軽度者(要介護 1,2)の介護保険外し、③ケアプラン作成費用の有料化等)を行わないよう、国に対して意見書を提出すること
(継)予防を重視した事業予算の配分をおこなうこと
(継)地域健康塾、派遣型地域健康塾事業を拡大すること
(継)高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう小規模多機能型居宅介護支援を充実させること
(継)市の独自事業として、介護保険料負担金軽減給付事業を創設すること。住民税非課税者に対し、介護保険料負担軽減給付をおこなうこと

■環境経済部関係
●税務
(新)森本東部の企業進出地区に対し、実態に基づき適正な固定資産課税を行うこと。また都市計画税条例を速やかに改正し、同地区に対して都市計画税を課すこと
●商工・労働
(継)向日市公共調達基本条例を発展させ、最低賃金条項を含む公契約条例を制定すること
●防災
(継)JR西日本向日町運転所を、桂川浸水災害時の臨時の緊急避難所とできるようJR西日本との協定を結ぶこと
(継)防災マップの多言語対応を行うこと。まずは市のホームページに多言語対応の防災マップを掲載すること
(継)リスクの高い若狭湾の老朽原発が再稼働されつつある事態を受け、原発事故時の避難者受け入れ計画の見直しと訓練をおこなうこと。本市の市民が避難する事態を想定した避難計画を検討すること
(継)災害時の被災者の生活再建へ、京都市並みの被災者支援施制度を創設すること
(継)災害時の要配慮者の避難計画を策定すること

●環境衛生
(新)向日市ゼロカーボン・シティ宣言の実行のため、職員・市民委員・専門家などで構成する常設の「向日市環境審議会(仮称)」を設置すること
(新)これからの公共施設の更新は、建物断熱+再生可能エネルギーによるゼロ・カーボン仕様を基本に進めること
(継)向日市の環境配慮方針を策定し、市の施設の電力調達にあたっては、再生可能エネルギー調達を優先した入札方式を採用すること
(継)法定義務のある、向日市地球温暖化対策実行計画(事務事業編)を早急に策定し、計画に基づく事業を実施すること
(定)向日市域の古紙類の資源回収に行政が責任をもつことを明確にすること古紙集団回収事業への参加団体の拡大を図るとともに、古紙回収事業者と協力して、古紙の資源回収がされない地域をなくすこと
(継)資源ゴミ出し時間を、午前6:30からに早めること(シルバーさん個人が献身的に早めに行って対応している場合が多い)
(定)動物愛護の啓発を強化し、犬猫の去勢・避妊費用の助成制度の拡充と制度の周知に努めること

■建設部関係
●まちづくり
(新)向日市の玄関口として向日市民共有の財産であるJR向日町駅の全面改築の基本設計を、早急に市民に示すこと。向日市行政とJR社が協議・協力して市民への責任をしっかり果たすこと
(拡)大型開発が進み、田園緑地地区の市街化が進む現状を危惧する市民の声がある。向日市のめざす景観政策について市民参加で議論を進めるため、景観シンポジウムを開催すること
(継)タワーマンション・駅ビル建設計画に関し、随時市民への丁寧な説明をおこない、継続して市民の理解・合意作りに努めること
(継)都市計画変更決定により直接的な利害がある近隣住民に対し、市の相談窓口を設けて対応すること
(継)西向日の桜並木の景観保全のため、市が作成した「桜の状況と保全管理方法のガイドライン」に基づく中期的な保全計画を策定すること。老木の植え替えを初めとした事業予算を計上し、年度計画を地域住民の理解を得て策定・実施すること

●公共交通
(継)コミュニティバス事業は、利用者の拡大に最重点を置き、両周り運行への拡大などの利便性の向上、料金の見直し、シニア割引券など積極的な利用促進策を図ること

■教育部関係
●学校教育
(新)不登校児童生徒が利用する、ひまわり広場「適応指導教室」の名称を、「教育相談センター」などへ変更すること
(新)不登校の子をもつ保護者への支援を強化すること。不登校の親の会などとの懇談の場をもつこと
(新)低所得の子育て世帯への支援を漏れなくするため、「就学援助制度のお知らせ」に利用基準を記載するとともに、具体例を示すなどわかりやすく改訂すること。また制度の説明と申請案内を、入学時だけでなく進級時等、随時おこなうこと
(新)学校集団健診での上半身全裸の強制(大人に対しては行っていない)は、子どもの人権侵害である。子どもの人権を守る立場から、乙訓医師会と協議し、着衣での健診実施に移行すること
(新)勝山中学校・第2向陽小学校の建替は、ゼロカーボン仕様を基本に計画すること
(新)小中学校のプールの今後のあり方について、児童生徒・保護者・市民に公開して検討を行うこと
(継)ICTを活用した教育、オンライン授業の実施が可能となるよう、教員によるプロジェクトチームの他、専門のICT支援員を配置する等、教員の支援を強化すること
(継)学校図書館の充実にむけ、まず小学校からはじめ、各校に学校図書館司書をフルタイム配置を行うこと
(継)学校体育館は災害時の避難所に指定されていることからも、体育館へのエアコン設置を順次進めること
(継)教員の更衣室やPTAの部屋など、児童が使用しない部屋にもエアコンを設置すること(夏の猛暑の中、エアコンのない部屋でPTA役員は作業をおこない、教員は体育の後、窓も開いていない部屋で着替えている)
(継)学級人数は20人程度を基本とし、最大30人定員とすること
(継)スクールソーシャルワーカーの配置を拡充すること(見えにくい貧困や虐待などの問題に気付けるのは学校であり、専門家の配置が必要。教員の負担軽減にもなる)
(継)給食費・修学旅行費をはじめ、すべての義務教育にかかる費用を無償化するよう国に求めること。実現するまでの間、市として部分的無償化を実施すること
(継)性の多様性を認め合う学校での教育を実施すること
(継)2019年に子どもの貧困対策法が改正され、基本理念に子どもの権利条約の精神にのっとり子どもの最善の利益を実現することが明記されたことを踏まえ、子どもの権利条約に関する啓発事業をおこなうこと

●幼児教育
(拡)幼児教育無償化に伴って廃止された私立幼稚園の教材費補助事業費を活用し、低所得世帯への幼児教育支援助成や、私立幼稚園の環境整備、私立幼稚園の健診への補助、私立ICT推進のための補助等の支援事業にあてること
(継)2歳児の幼児教育を行う私立幼稚園への補助をおこなうこと。現行の2歳児の幼稚園型預かり事業がわずかしか利用されていない現状をふまえ、対象を拡大し、利用しやすい制度と運用にすること

■上下水道部関係
●水下道事業
(継)水道料金、下水道料金は、少量使用世帯に極めて割高な料金体系を是正するため、基本料金を引き下げること