2> 市民の請願に対する討論
TOP  杉谷ひろば  政  策  市議会報告  市民の声から  Webニュース

TOP議会報告一般質問
 議案・請願・意見書に対する討論の報告(2023年12月議会)

<1> 杉谷伸夫議員の一般質問と答弁
<2> 市民の請願に対する討論

 <1> 杉谷伸夫議員の一般質問と答弁

1.市民温水プールの早期建替えについて
2.高齢者のごみ出し支援について
3.不登校の子どもたちに学びの機会と過ごしの場を保障すること
 

一般質問の要旨はこちら(PDF)


 <2> 市民の請願に対する討論

4.請願第6号・小中学校給食費の無償化を求める請願に対する賛成討論
5.請願第9号・向日市立保育所の維持に関する請願に対する賛成討論


【1】 市民温水プールの早期建替えについて
●趣旨
  市民温水プールのあり方検討会議での検討が始まりましたが、プールの再開を待ち望む市民から、いつになったらできるのか、本当にできるのだろうか、と不安の声も聞いています。取組の目標時期を示して頂きたいと思います。

質問

 市民温水プールは昨年4月に閉館し、その後市民アンケートの結果を踏まえて、昨年9月に再開にむけた方針が示されました。そして今年7月より「市民温水プールのあり方検討会議」が2回開催され、12月21日に第3回会議が予定されています。これまでの2回の会議を傍聴しましたが、幅広い観点から調査し、意見交換がされていることがわかりました。
 温水プールの再開を願う市民からは、早期再開の期待が高まる一方で、この間検討会議を傍聴されたり、様子を伝え聞いた市民からは、不安の声も寄せられています。
 と言うのは、検討会議において「向日市に、この市民の数で市民温水プールが必要なのかどうかを考えるべき」との意見や、「周辺地域の開発やまちづくりの様子を見ながら考えたほうが良いのではないか」と言った意見もだされており、この調子で進めば、いったいいつになったらプールができるのか、果たして本当にできるのだろうか?と不安に思われるのも無理はないと思います。

(1)会議の設置目的について
 そこで、改めて「市民温水プールのあり方検討会議」の設置目的を再確認させていただきます。
 昨年9月の議会定例会で、市長は「市民温水プール再開に向けて・・・どのような手法が本市にとって一番メリットがあるのか・・・様々な検討をしてまいりたい」と答弁されています。すなわち、「市民温水プールの再開にむけて、市民合意が得られる手法を検討する」ことが検討会議の設置目的であるといえます。このことの再確認をお願いします。

(2)再開にむけたスケジュールについて
 市民が不安に思われるもう一つの理由は、再開にむけた取組の目標が示されていないことです。納期の無い仕事は進みません。現在ハッキリ示されているスケジュールは、今年度に既存のプールの解体設計を行うことだけです。確かに、プールの規模や関連施設をどうするかによってスケジュールは変わるので、再開時期を示すことは難しいでしょうが、少なくとも検討会議の結論をまとめる時期を示すべきだと思います。検討会議の立ち上げの際には、なかなか先が見えなかったかもしれませんが、会議も次回で3回目を迎えます。市民に目標時期を示していただきたいと思います。

(3)小中学校のプールのあり方の検討状況について
 小学校プールは今後、設備を含めた大規模な改修を必要としていることから、学校個別計画とは別に、学校プールの在り方が検討されているとお聞きします。水泳教育での市民温水プールの活用の検討など、市民温水プールのあり方とも関連していると認識しています。
 昨年12月の議会定例会では、「教育部内において、関係課長等7名で構成するプロジェクトチームを設置し、学校プールの大規模改修と学校外のプールの活用の両面から、調査研究を進めている」との答弁でしたが、現状と今後の予定、見通しをお聞きします。

●答弁(初回分)

(市長)
「向日市民温水プールあり方検討会議」は、現在、閉館している市民温水プールの今後のあり方について議論を進めていくため、立ち上げた会議で、議員ご指摘のように、「市民温水プールの再開に向けて、市民合意が得られる手法を検討する」ことが目的であります。
 会議では、市民の皆さまのご意見を広く反映させるため、市民公募の委員にもご参加いただき、これまでに2回の会議を実施しております。
 会議の中では、温水プールの存続を求めるご意見や、議員ご指摘のような「この市民の数で市民温水プールが必要なのかどうかを考えるべき」、「周辺地域の開発やまちづくりの様子をみながら考えたほうが良いのではないか」といったご意見もいただいているところであります。
本市といたしましては、これまでから申し上げておりますとおり、できる限り早い段階で、市民温水プールの再整備を目指したいと存じておりますし、その認識に変わりはございませんが、会議の中で、再整備に対して、委員の皆さまが疑問に思われることがあるのであれば、しっかりとご議論いただいた上で、会議を進めていくべきと考えております。

(市民生活部長)
 「再開に向けたスケジュールについて」でありますが、現在、「向日市民温水プールあり方検討会議」で、「今後のあり方」をご議論いただいている最中であり、プールの規模や建設手法についても、決定していない中で、「再開に向けたスケジュール」をお示しするのは、難しい状況です。
 「検討会議の結論をまとめる時期」につきましても、委員の皆さまのご意見や議論の内容によって、会議の進行状況は変わりますので、結論が出る時期を見定めることは、難しいものと存じます。
 また、「検討会議の結論をまとめる時期」を、いつまでにと、先に決めてしまうことで、委員の皆さまが自由にご議論をいただくことへの妨げになってはいけませんので、時期などはお示しすることはできません。しかしながら、市民温水プールの早期再開を待ち望む市民の方もおられますし、繰り返しになりますが、本市といたしましても、一日でも早く再整備を目指していることから、少しでも早く、会議の結論が出るよう、第1回の会議を7月11日に開催して以降、3か月に1回という短い間隔で会議を開催しております。一日も早い再整備を望む方の中には、会議の進捗状況に対して、不満に思われる方もいらっしやるかもしれませんが、会議で使用する資料については、委員の皆さまのご意見を踏まえて、作成しなければなりませんので、一定の期間が必要となります。
 また、会議での議論につきましても、ご参加いただいている委員の皆さまにおかれましては、公私ご多忙の中にも関わらず、真剣にご議論をいただいておりますので、議論が停滞しているということはございません。
 第2回の会議では、再整備に疑問をお持ちであった委員から、温水プールに学校プールを集約するなど、財政負担が軽減するのであれば、再整備に賛成するといったご意見もいただいており、少しずつではありますが、再整備に対する議論も進展しているものと理解しております。
今後におきましても、あり方検討会議で、委員の皆さまがご議論いただきやすい環境を整えるとともに、一日でも早く会議の結論が出るよう努めてまいりたいと存じます。

(教育部長)
 「小中学校のプールのあり方の検討状況について」でありますが、本市の小学校プールにつきましては、今後、設備を含めた大規模な改修を必要としていることから、学校プールの在り方を検討するため、教育部内においてプロジェクトチームを設置し、学校プールの大規模改修と学校外のプールの活用の両面から、調査研究を進めているところであります。
 学校プールにつきましては、児童生徒が安全に水泳授業を受けることができるよう、これまでから、必要に応じて修繕工事を行い、環境確保を図ってきたところではございますが、今後、学校プールの耐用年数から、大規模改修を必要とする際は、多額の経費が見込まれるため、プールの使用頻度や、その改修費用を勘案し、検討していく必要があることを確認してまいりました。
その一方で、学校外のプールの活用につきましては、現状で受け入れが可能と見込まれ、学校プールの実施にノウハウのある民間事業者を招き、水泳授業の実施に必要な指導員の状況、休館日や授業可能日数、受入可能人数などの条件、送迎バスの有無、監視員の有無や緊急搬送の安全確保の体制等をお伺いしてまいりました。
 ご提案いただいた内容から、学校プールを民間事業者で実施することについては、天候に左右されないことや水泳指導施設の維持管理費の削減、教職員の負担となっているプール施設の清掃や、循環ろ過装置の運転操作等の負担軽減に繋がるといった効果が期待できるものと考えております。
その一方で、受入可能人数の制約があることやプール施設までの移動時の安全確保、移動時間の発生による授業時数の確保等の課題も見えてきたところでございます。
 教育委員会といたしましては、学校外のプールの活用については、市民温水プールの利用も選択肢のーつになるものと考えておりますが、水泳授業が可能な施設規模、利用可能な期間や時間帯等の諸条件を踏まえた上で検討する必要がありますことから、引き続き、学校プールのあり方について検討してまいりたいと存じます。
 ページトップ
【2】 高齢者のごみ出し支援について
●趣旨
 ごみ出しが困難でありながら、必要な支援が受けられない高齢者が増えています。本市は可燃ごみが原則各戸収集である事情もあり、これまで公的な支援はありませんが、ごみ出しが困難な高齢者が今後さらに増えていくことから、行政が責任をもって支援する制度づくりについて伺います。

質問

(1)公的なごみ出し支援のしくみをつくることについて

 先日、あるマンショにお住まいのご高齢者を知る方から、「ごみ出しができないので、その方のお部屋が、紙おむつなどが詰まったごみ袋で一杯になっている。」とのご指摘を受けました。その方は、訪問介護サービスを受けておられるようですが、そのマンションでは、燃やすごみは午前8時までに出さないと収集してもらえないのですが、早朝に来て貰えるヘルパーさんがいないため、ごみ出しができずたまっているとのことです。
 必要なごみ出しの支援がないと、無理してごみ出しして転んで怪我をする危険性や、ごみを放置して溜まった不衛生な部屋で生活を送ったり、さらに深刻化するとごみ屋敷になるリスクがあります。
 向日市では、要介護や障がいなどでごみ出しできない方に対する公的な支援はなく、主にボランティアに頼っているようですが、支援が必要な方がますます増えていることや、地域とのつながりの無い方が増えており、公的な支援が必要ではないかと考えます。

<向日市で公的なごみ出し支援の導入が遅れている理由>
 多くの市町村では、ごみ出しはステーション方式のため、自宅から離れた収集場所までのごみ出しが必要なため、困難な世帯に対する支援が早くから迫られたのだと思いますが、向日市は各戸収集が原則のため、玄関前までごみを出しておけば良いので、支援の必要が認識されにくかったのではないかと思います。

<しかし以下の問題があります>
(1) 集合住宅では、戸別収集できないので、1階のごみステーションまで出しにいく必要があります。全世帯の3割以上の世帯が該当するのではないでしょうか。
(2) 燃やすごみ以外の資源ごみ等は、ごみステーションまで出しに行く必要があるので、支援の必要は他市と同じです。
(3) 介護サービスを受けている方は、ヘルパー等によるゴミ出し支援をサービスに組み入れてもらえれば良いのですが、早い時間のゴミ出し支援に対応できるヘルパーが確保できません。ヘルパー不足が深刻化する中で、状況はより厳しくなります。

①ごみ出しに困っている高齢者世帯等の現状と、ごみ出しボランティアやホームヘルパーによる支援が足りているのか、把握している実態を教えてください。

②今回調べたところ、京都市を含む京都府南部8市のうち6市で、「ふれあい収集」などの名称で、行政が福祉収集をおこなっています。これは週1回程度、お家の玄関先などに決められた時間までにごみ袋を出しておけば、行政が通常のごみ収集とは別に収集してくれるものです。福祉部門と連携して声かけや見守りを兼ねたり、事情によっては自宅内まで支援をする自治体もあります。実施していない2市のうち、1つの市は実施に向けて現在検討中とのことなので、残るは向日市だけとなります。本市もボランティア頼みでなく、行政が責任をもって支援できるしくみづくりが求められているのではないでしょうか。考えを伺います。

(2)提案
 介護サービスを受けている方で、ごみ出し支援を必要とされる方を対象に、通常の収集が終わった後の時間帯に、福祉収集を実施していただけないでしょうか。
 一般の収集のように早朝でなく遅い時間帯に収集するので、訪問介護に来てくれたヘルパーさんに、ごみ袋を玄関先や集合住宅の指定場所に出して頂ければ収集できます。また収集作業は、忙しい朝の収集作業を終えた後の時間帯なので、実施可能性は高いのではないでしょうか。
 また燃やすごみだけでなく、資源ごみ、不燃ごみなども一括して収集できるよう、制度の検討をして頂けないでしょうか。

●答弁(初回分)

(市民生活部長)
 全国的に高齢化や核家族化が進む中で、65歳以上の高齢者のみの世帯は年々増えており、全世帯に占める割合は、平成2年度には9.8%であったものが、令和4年度では30.1%と大幅に増加してきております。
 また、地域のつながりもますます希薄化してきており、かつては地域でお困りの高齢者がいらっしやっても、近所の方がごみ出しなどのお手伝いをされるなどの支え合いがありましたが、こうした支え合いも、現在ではあまり見られなくなってきております。
こうした状況の中で、ごみ出しでお困りの高齢者が増えてきている状況については、以前から十分認識しているところでございます。
 ご質問の1点目、「把握している実態について」でございますが、本市におきましては、ごみ出し支援についてのご相談をいただいた場合は、社会福祉協議会の地域サポーターをご案内しております。
地域サポーターは、ごみ出しや話し相手、散歩の付き添いなどを支援されており、令和5年10月末現在、26名の方がボランティア登録をされておりますが、ごみ出し支援については、11世帯の方がご利用されている状況でございます。
 また、この地域サポーターのほか、介護保険以外ではご近所の方等の支援やシルバー人材センターを活用されている方もいらっしゃると伺っております。
今後、支援を必要とする高齢者の増加により、ごみ出しボランティアなど支援の手が不足することが見込まれますが、現在把握している中では、ごみを出すことに困難を抱えておられる場合でも、公的なサービスやボランティア、住民同士の支え合いなどにより、ごみ出しをされている状況となっております。
次に、2点目の「行政が責任をもって支援できるしくみづくりについて」でありますが、現在のところ、地域サポーターや、ご近所同士の助け合いなどによってごみ出し支援がなされている状況でありますが、今後支援を必要とする高齢者の増加が見込まれており、行政として対策を講じなければならない時期が来るものと認識しております。
 一方、公的なサービスに頼らず、ごみ出しなどで助け合える地域コミュニティを形成することは、高齢者の支援だけではなく、子どもや障がい者の見守り、災害時の避難支援や、犯罪の未然防止などにおいても非常に有効なことであり、地域のつながりが希薄化していく中でも、その醸成は大変重要であると考えております。
 こうした中、行政サービスとしてごみ出し支援を実施することで、これまで、ごみ出しなどを通じて形成されていた地域コミュニティが失われないようにすることも大切であり、サービスの導入には、慎重な検討が必要であると考えております。
 今後も、高齢化の状況や市民ニーズ、地域コミュニティの状況を把握分析するとともに、ごみ出し支援に係る費用やその費用を負担する立場の市民の皆様の思いなどを踏まえながら、どれくらいの規模で、どういった財源を元に、どのタイミングで実施するのか、資源物や燃やさないごみに関しても、本市に相応しい取り組みについて、関係課と慎重に検討を続けてまいりたいと存じます。
 ページトップ
【3】 不登校の子どもたちに学びの機会と過ごしの場を保障すること
●趣旨
 すべての子どもたちが、生き生きと育ち、学ぶ権利を保障できるよう、地域の環境作りに努めてゆくことは、全ての大人の責務です。不登校の子どもにも、その権利を保障する取組が大切です。

質問

 近年、不登校の子どもたちが激増しています。昨年度、年間30日以上不登校の児童生徒は約30万人、前年比22%の激増で過去最多でした。
 不登校自体は、良い悪いの問題ではありませんが、学校に行けない、行かないことで、必要な様々な学びの機会が失われるならば、その子にとって大きな損失です。不登校の子どもたちに、学びと過ごしの場を作り、広げていくための取組みについて伺います。

(1)向日市では昨年度、年間30日以上不登校の子どもは小学校54人、中学校83人でした。小学校では2クラスに1人、中学校では1クラスに2人くらいになります。そのうち年間90日以上不登校の子どもは、それぞれ何人だったでしょうか。また今年度は、昨年度と比べて現在まで、どのような状況でしょうか。

(2)向日市は、教室に通えない子どもたちの通所の場として、「ひまわり広場」を平日の午前中に開設し、「校内フリースクール(校内教育支援センター)」を今年度から中学校1校、小学校2校で開設していると聞きます。
①運用の状況:開設日時、教室、教員の体制、利用の仕方
②ひまわりひろば、校内フリースクール、その他のフリースクールの各々の利用者数(延べ数、実数)
③今後、どのように取り組む方針でしょうか?やるなら全ての小中学校に設置し、専任教員を配置すべきではないでしょうか?

(3)不登校の子どものためのフリーススクールや、地域の子どもたちが自由に過ごせる場を作ろうという市民の取り組みがありますが、苦労されています。
・場所の確保:公的な施設が使いにくい(例えば公民館は、月2つの時間区分しか利用できず、定期的な利用が保障されない)
・対象となる子どもたちや保護者へ、存在と情報を伝えることが難しい。
・必要な活動を継続するための資金集め
 向日市の子どもたちのための市民の自主的な活動に対する行政としての支援や、市民との協働の取組が大切だと思います。特に場所の確保や市民への周知については、特に予算を掛けずに支援の効果があると思います。市民の取組に対する支援と協働の現状と今後について伺います。

(4)不登校の子どもの保護者への支援について
 自分の子どもが学校に行けなくなると、保護者は大変心配になり動揺します。最近はそれほどでもないかもしれませんが、何とか学校に行かせようとして、かえって子どもとの信頼関係を壊すことも少なくありません。そんな時、最初に気付いて対応できるのは学校であり、初期の適切なアドバイスと、継続した支援が求められます。そこで、向日市における不登校の保護者への支援について伺います。
①子どもに不登校の兆しが見えたとき、学校はどのように対応することになっているのでしょうか。保護者への支援について、どうでしょうか。
②不登校が継続する時、学校による子どもと保護者への支援は、どのように行われているのでしょうか。
③こうした支援について、福祉部門との連携はどうなっているでしょうか。

(5)こどもたちが、自分の権利を学び行使することについて
 児童福祉法の改正で、子どもの権利条約の精神に則り、「児童の意見・意向表明や権利擁護にむけた必要な環境整備」が明文化されました。
 子どもたちが自らの権利について学ぶことは、自らの権利について知るだけでなく、それを実際に行使することが大切です。「主権者教育」の大切さが、様々な議員からも指摘されています。主権者教育とは、選挙権の行使だけでなく、自分が所属する社会の主権者として自ら考え、判断し、行動することを学ぶことだと考えます。そうした視点からの学校での取組みについてうかがいます。
 一例として「生徒手帳」は、向日市では「生徒と学校との契約」という考えをもとに作られたとお聞きしました。時代に即して子どもたちが主体的に見直しに取り組むことは、子どもたちの身近な権利行使の実践として貴重ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

●答弁(初回分)

(教育長)
「不登校児童・生徒の学ぶ権利の保障について」の1点目、不登校児童生徒の状況についてでありますが、令和4年度の不登校児童生徒のうち、90日以上欠席したのは、小学校1 9名、中学校 49名であります。また、今年度、不登校傾向がみられる児童生徒数は、昨年度の同じ時期と比べ、増加傾向にあります。

次に、2点目の教室に通えない子どもたちの通所の場についての1つめでありますが、これまでから本市におきましては、多様な学びの場のーつとして、教育支援センターひまわり広場を平日の午前中に開設しております。
さらに、本年度より京都府教育委員会の指定を受け、1中学校とその校区の2つの小学校において、教室に入りづらい児童生徒の安心できる居場所として、校内教育支援センターを設けております。
校内教育支援センターでは、空き教室を活用して、京都府から配置をいただいた加配教員や非常勤講師、教職経験のあるスクールソーシャルワーカー、さらに市教委が配置した心の相談サポーター等で毎日の支援に当たっております。
また、児童生徒は、1日の計画や取り組みたい内容について、担当者と相談しながら自分で決定し、振り返ることを通して、将来の自立に向けた力を少しずつ、つけているところであります。
 次に、2つ目の各々の利用者数についてでありますが、10月末現在、ひまわり広場の利用者は18名で、1日当たりの平均利用者数は約10名であります。
校内教育支援センターの利用者は合計で29名、1日当たりの平均利用者数は約15名であります。
その他フリースクール等民間施設の利用者は合計で8名、1日当たりの平均利用者数については個々の児童生徒の状況や施設に応じて利用の仕方が大きく異なりますので、把握しておりません。
 次に、3つ目の校内教育支援センターの今後の方針についてでありますが、現在取り組んでいる学校については、校内教育支援センターが、教室に入りづらい児童生徒の居場所となっており、学校に登校する日数や時間が維持あるいは増加する中で、学びの保障につながっていると報告を受けております。
今後につきましては、指定を受けた小中学校の取組の成果と課題を分析した上で、その成果を市内各校とも共有を図るとともに、専任教員の配置について京都府に要望して参りたいと存じます。
 次に4つ目の、ひまわり広場の更なる充実についてでありますが、現在、元教員である担当指導主事が、通室する児童生徒一人ひとりの状況を把握しており、ひまわり広場での子どもたちの状況について、定期的に伝える等、学校との連携を図っております。
 通室者の人数が年々増加しているところではありますが、ひまわり広場がある向日市天文館は、向日神社の参道近くにあり、自然に囲まれ、子どもたちが落ち着いて過ごすことのできる恵まれた環境にあります。
また、近くに勝山公園があり、体を動かしたり、のびのびと過ごしたりすることは、通室する児童生徒にとって自らを開放できる貴重な場であるため、今後も工夫をしながら、支援の充実に努めて参りたいと存じます。

 次に3点目、向日市の子どもたちのための市民の自主的な活動に対する支援や協働の取組についてでありますが、現在、市内で取組をされている代表の方々に、活動状況のお話を聞いたり、施設を見学したりするなど情報収集に努めております。
今後につきましては、校長会等を通じて、情報共有を図り、学校以外の場が必要な児童生徒には、選択肢のーつとして、情報提供ができるよう努めて参りたいと存じます。

 次に4点目、不登校の子どもの保護者への支援についてでありますが、担任をはじめ、学年の教員、不登校の担当者、管理職、スクールカウンセラー等の専門家がチームとして、組織的に対応しております。
 1つ目の、保護者への初期支援としましては、家庭での様子や学校での様子を共有し、必要な場合はスクールカウンセラー等の専門家の支援につなげ、保護者の不安や悩みを丁寧に聞くなど、保護者の気持ちに寄り添うことを大切にしております。
 次に2つ目の、不登校が継続する場合については、子どもや保護者と定期的に面談を実施し、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等専門家による分析や判断も生かしながら、個々の状況に応じて、例えば家庭訪問や放課後登校による学習支援や、ひまわり広場等の関係機関につなげるなど、学びの機会の保障に努めております。
 次に3つ目でありますが、今年度10月からは、支援について関わりを持つ専門家につきまして、小学校への巡回回数を増やすなど、支援の充実を図っているところであります。

 次に5点目、「こどもたちが自分の権利を学び行使することについて」でありますが、児童の権利に関する条約、いわゆる「子どもの権利条約」につきましては、中学3年生の社会科公民分野の授業で、日本国憲法に保障された基本的人権を学習する中で、子どもの人権として、家庭科では、家族・家庭生活の単元で、子どもを守る条約や法律の学習の中で、それぞれ条文の内容にも触れながら学んでおります。
また、小学校では、子どもの権利条約を踏まえた人権に係る資料を活用し、特別活動等の時間で、子どもの人権について学習しております。
 次に、学んだことを実際に生かす機会としましては、小学校では、児童会が中心となって、日頃の生活を見直し、学校をより良くするための取組を児童が考える活動につなげております。
また、中学校では生徒会が中心となって校則を見直し、規則の一部を改正したり、教科の授業とも連携しながら、学校の改善案を取りまとめ、実現に向けて取り組むなど、学んだことを知識にとどめることなく、実際の学校生活で生かす機会につなげております。
 ページトップ

 
請願第6号、小中学校給食費の無償化を求める請願に対する賛成討論


 明日の向日の杉谷伸夫です。
 請願第6号、小中学校給食費の無償化を求める請願に対し、賛成の立場から討論を行います。

 私は、学校給食の無償化は、「子育てを社会を挙げて支援していこう」という今の時代に最もふさわしく、有効な子育て支援施策だと考えます。

 本請願は厚生常任委員会で賛成少数で否決されましたが、学校給食の無償化の意義が正当に評価されているとは思えず、大変残念です。
 厚生常任委員会の審議では、「子どものいない家庭との公平性」を問題とする意見が出されていました。でもこの主張でゆけば、すべての子育て支援施策が「子どものいない家庭に不公平」になってしまいます。自分に子どもがいてもいなくても、子どもは私たちの社会の未来を作っていく、私たちみんなの宝です。自分の子どもであってもなくても、すべての子どもに愛情を注げる社会にしたいと、多くの市民は願っていると思います。ですから、自分の子どもであってもなくても、向日市で育つすべての子どもたちに、私たちみんなのお金で、無償で豊かな給食を提供することは、そのような社会を作っていく取組みの1つだと思います。

 厚生常任委員会の審議では、また「向日市は財政難だからできない」という意見もありました。確かに自治体の財政力は極めて重要ですが、向日市より財政基盤の弱い市町村でも、学校給食の無償化はどんどん広がっています。向日市の財政力指数は、0.71です。中学校給食の無償化を先駆けて実施し、子育て支援で有名な明石市の財政力指数は、0.76。本市とさして違いません。ちなみに京都市は、0.81、長岡京市は0.79です。財政が厳しいはずの明石市の方が、率先して実施しているのです。
 また群馬県では、県内35市町村のうち、19市町村・54%が完全無償化を実施し、一部無償化14市町村を合わせて計33市町村・94%が無償化を実施しています。未実施はわずか2市町のみ。実施している33市町村のうち22市町は本市より財政力指数が低いのです。群馬県だけでなく、山梨県でも過半数の市町村が何らかの無償化を実施し、埼玉県、奈良県などでも半数近い市町村に実施が広がっているようです。
 財源がないからできないのではなく、何を重視し、どこに重点的に振り向けるかの問題です。

 とはいえ、向日市が実施しなければならない様々な課題がある中で、また給食費に対する国の支援制度が無い中で、限りある向日市の財源を振り向けるには、多くの課題があるのも現実です。本来学校給食の無償化は、自治体財政が豊かかどうかで実施が左右されるべきでなく、日本中どこに暮らしていても、すべての子どもたちが等しく受けられるべきであり、国が全国一律の制度として実施すべきものです。
 しかし国の制度化を待っているだけでは、実現しません。向日市のこどもたちにとって必要なことは、待っているのではなく、向日市が実施に向けてできるかぎりの努力をするべきです。ご存じのように、子どもの医療費助成制度はその典型です。子どもの医療費助成について国の制度はありません。それでは親の経済状態によっては、多くの子どもたちが必要な医療を受けられない事態になります。そこで、日本中の全ての都道府県・市町村が、すべての子どもたちが無料、あるいは低額の負担で医療を受けることができるよう、それぞれ独自の財源で子育て医療費助成を実施しています。様々な福祉制度の多くは、国が制度化を進めない段階でも、自治体が率先して可能なところから実施し、地方から制度の実態を広げていくことによって国の制度化が進められてきたと認識しています。

 とはいえ、私も向日市が小中学校給食の無償化を直ちに行えるとは思いません。請願者のみなさんも、そこまでは求めていらっしゃらないようです。でも今、全国的に学校給食無償化の大きな流れが起こりつつあります。こうした時、それぞれの自治体が給食の無償化に向けて、ゼロか百かでなく可能な努力を積み重ねていく時だと考えます。
 たとえば、あくまで一例ですが、中学校だけ、あるいは中学3年生だけの無償化の実施から始めるこということも有りではないでしょうか。中学3年は受験・進学を前にし、何かと保護者の支出がかさみますので、真っ先に支援するのに適しています。そして、すべての子どもは、やがて中学3年生になります。だから無償化の対象から外れるという不公平は生じません。
 いずれにせよ、小中学校給食費の無償化は時代の要請であると考え、本市においてもその実現に向けて取組みを始めるべきであることを申し上げ、本請願に対する賛成討論とします。

 ページトップ
 
請願第9号、向日市立保育所の維持に関する請願に対する賛成討論


 明日の向日の杉谷伸夫です。
 請願第9号、向日市立保育所の維持に関する請願に対し、賛成の立場から討論を行います。

 私は今から39年前に、京都市下京区にあった勤務先の独身寮を期限一杯で退寮し、向日市に引っ越してきました。住むのは向日市にしようと決めていました。理由の第1は、京都市内にある勤務先にも大阪にもアクセスが良いこと。理由の第2は、当時は「子育てするなら向日市がいい」という雰囲気が勤務先の若手社員の間に広がっていて、当時は結婚するアテは全く無かったのですが、先のことを考えて向日市を選びました。その後めでたく結婚し、2任の子どもは当時の第4保育所、現在の第1保育所でお世話になりました。大阪市で子育てしていた妹からは、「向日市はいいねえ」と、よくうらやましがられたことを思い出します。
 当時は、こうした「子育てするなら向日市」といわれるような魅力に惹かれて、向日市を選んだ人たちは、けっこうあったと思います。この向日市の子育て環境の中心が、各小学校区毎にそれそれ設置された向日市立保育所と学童保育でした。

 その後、6つあった市立保育所は統合と老朽化等による建て替えを期に3つに減りました。新しく開設された保育所、子ども園はすべて民間になり、新たに民間の小規模保育所も開設し、公立保育所を利用する子どもは、全体の35%にまで減少しました。それは国の民営化政策の下で、市町村が公立保育所を建て替えたり、新たに設置することが極めて困難な状況を、国が財政的に作っていった結果です。
 現在市内に3つある市立保育所が、地理的にもバランスよく立地しており、連携して向日市全体の水準を作っているといえます。また障がい児や特別な配慮を必要とする子どもの受け入れなど、公的な責任を果たす役割をもっています。また地域の子育て支援事業の中核としての重要な役割も担っています。
 民間保育所と違って公立保育所の優位点は、なんと言っても向日市の保育行政が保育所を直接運営し、保育現場の声をしっかりつかみ、保育行政に反映させることができることだと思います。民間保育所については、そうはいきません。そもそも民間保育所に対する監督権限は向日市にはありません。京都府です。
 こどもの保育を直接担うのは保育士です。公立保育所の保育士が、役割と責任にふさわしい一定水準の待遇が保障されていることは、大変重要な要素だと思います。
 そして公立保育所には、それぞれ保護者会が作られ、3つの保護者会が連携して保護者会連合会として、保護者のみなさんの要望を、今回の請願のように向日市に届けてくださっています。保育の当事者である保育士と保護者、そして保育行政が連携してこそ、向日市の子どもたちによりよい保育を実現していけると思います。
 また向日市では、歴史的経緯から幼稚園教育をすべて民間にお願いしてきています。なので、少なくとも向日市が直接管理運営する3つの市立保育所の運営を維持継続しなければ、地域における乳幼児の保育・教育に対する公的責任を果たせなくなると考えます。
 以上を述べ、請願第9号・向日市立保育所の維持に関する請願に対する賛成討論とします。

 ページトップ
webトップ


Copyright (C) 2011-2019 杉谷さんとともにまちを創る会 All Rights Reserved. すべてのコンテンツの無断使用・転載を禁じます。