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 杉谷ひろば 2023年 3月号 No.144
 
反撃能力は戦争への道

 テレビで国会の質疑を聞いて驚きました。岸田首相は、議員の質問に対し、「反撃能力」とは、長射程ミサイルによる反撃だけでなく、「航空機による空爆」や、「相手国への上陸攻撃」も含まれることを認めました。これでは全面戦争になってしまいます。極めて危険な戦争への道です。
 「反撃能力(敵基地等攻撃能力)」の保有は、戦後の日本の防衛戦略の基本姿勢である「専守防衛」を大きく転換し、私たち国民を戦争へ引きずり込むものです。そのための軍事費2倍化・大増税は、絶対に許してはなりません。
 コロナ・物価高騰で、生活に困窮する市民が続出しています(3面参照)。多数の子どもたちや学生が、食糧支援を必要としています。税金は戦争の準備でなく、生活支援、子育て支援に使うべきです。(2月27日・杉谷 伸夫) 

今号のコンテンツ

◆反撃能力は戦争への道
◆ウクライナ侵攻から1年-大切なのは、人の命
◆3月の催し等のご案内
◆向日市の新年度予算(案)
◆トンデモない!原発の60年超え運転-市民団体が市と議会に申入れ
◆議会に出された市民請願・意見書案
◆杉谷伸夫の議会一般質問
  ■ゼロカーボンシティの実現へ、市長の覚悟を問う
  ■乙訓のごみ処理施設の整備-市民に説明を求める
  ■増える生活困窮者への支援-福祉なんでも相談窓口の設置を!
◆軍拡は嫌だ
◆武器はいらない!-「沖縄で戦争が始まる危機」講演とパレードを実施

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◆ウクライナ侵攻から1年-大切なのは、人の命

 ウクライナの惨状をどう止めるか?欧米は、ロシアに対抗するためウクライナへの軍事支援を強化しているが、戦争は長引き全土が焼け野原になり、莫大な犠牲者が生まれる。ロシアに打ち勝つか屈服か?そうではなく第3の道がある。外交による解決だ。それは妥協の道だが、大切なのはロシアを打ち負かすことではない。犠牲者をこれ以上産み出さないことではないか。戦争による死者だけでなく、ロシアでもウクライナでも戦争反対の声は弾圧され、人々の人権が蹂躙され続けている。
 武器でなく外交を!平和憲法を持つ日本が果たすべき役割は大きいが、軍備増強と日米軍事同盟強化にひた走る岸田政権には期待できない。


◆3月の催し等のご案内

●3月7日(火) (11:00~12:00頃の見込み) 向日市議会・杉谷議員の一般質問
●3月11日(土)10時・市民会館2階第4会議室 「市民参加でまちをつくる会」
●3月11日(土)13:30 円山野外音楽堂 バイバイ原発きょうと
 講演「原発はもう時代遅れだ」/大島堅一さん(龍谷大学教授)
●3月17日(金)10:00 市議会本会議・採決
●3月25日(土)14時・市民会館
 「持続可能なゼロカーボンシティの実現にむけて」市民シンポジウム


◆向日市の新年度予算(案)

 4月からの向日市の新年度予算が議会に提出されました。目新しい事業予算は、4月の市長選挙後となるため、あまり含まれていません。3月17日に採決です。
 そのほか、個人情報保護関連の条例や、税条例の改正案などが提出されました。
★予算書その他の議案は、向日市議会ホームページの「議案・議決結果」に掲載されています。

■新しい事業予算

●JR向日町駅東口開設
 新年度は、橋上駅・自由通路・東口駅ビル等の整備にむけて、支障となる物件の移転工事等が進められる予定です。東口駅ビルにどのような店舗は施設が入るかは、未だ未定

●小中学校施設の整備
 各校のトイレ改修工事に加え、以下の施設整備が順次進められる計画です。
・車いすトイレの整備(各校1ケ所づつ)
・教室の照明のLED化
・外壁の改修工事

●市民温水プールの再整備
・「(仮称)市民温水プールのあり方検討会議」の立ち上げ(市民委員を公募)
・市民温水プールの解体工事に係る設計等

●高校生の入院医療費を無償化
 市独自の財源で、入院医療費無償化の対象を高校生まで拡大します。但し通院医療費については、無償化の対象とはなりません。

●新生児聴覚検査費用の助成
 すべての新生児に聴覚検査費用の一部を助成


■懸念する条例等

●個人情報保護法施行条例
 昨年、国が個人情報の利活用に重点をおいた個人情報保護法の大改悪をしましたが、それに合わせて向日市個人情報保護条例を廃止し、国の改悪法に基づく施行条例が提出されました。
 市民の個人情報を企業活動に利活用しやすくするための条例改悪に、私は全面的に反対です。

●市税条例の改正
 JR東部の日本電産開発土地が、農地として格安課税されているのは違法だと訴えて、私たちは昨年裁判提訴しました。私たちが主張しているように適正な課税をするためには条例改正が必要だとして市が提出したものです。しかし、条例改正しなくても十分できたことです。もっと早く適正な課税を行なうべきだったのです。

★日本電産土地課税の違法確認訴訟は、3月28日に整理手続きの予定、裁判はそれ以降になります。裁判日程がわかればお知らせします。


◆トンデモない!原発の60年超え運転-市民団体が市と議会に申入れ

 岸田政権が、「原発の運転期間は40年、例外中の例外として60年まで」と定めた法規制を踏みにじり、60年超え原発の運転の道を開こうとしていることに反対することなどを求め、「老朽原発動かすな!実行委員会」から、各地の市長と議会に対し申し入れがありました。そして3/21に大阪の関電本店を出発し、4/2高浜原発まで、リレーデモが計画されています。
 また3/11には、恒例の「バイバイ原発!京都集会」が円山野外音楽堂で開催されます。


◆議会に出された市民請願・国への意見書案

●「難聴者の補聴器購入に公的補助制度を創設するよう」国に対する意見書の提出を願う請願
●小中学校の女子トイレに生理用品を常備することを求める請願 ※ともに賛成します。

●原発の60年超え運転と新増設を認めないことを求める意見書(案)
●大軍拡・大増税の撤回を求める意見書(案)


◆杉谷伸夫の議会一般質問

★杉谷伸夫の一般質問は3月7日(火)11:00~12:00頃の見込み(Youtubeで生放映、および録画もその夜には視聴可能)
 以下3つの課題を質問します。

■ゼロカーボンシティの実現へ、市長の覚悟を問う

 先日欧州議会は、2035年に域内でガソリン車やディーゼル車の新車販売を事実上禁止する法案を採択しました。ハイブリッド車も販売禁止となります。2030年の温室効果ガス半減、2050年のゼロカーボン達成へ、世界は大きく動いています。
 向日市は、昨秋にゼロカーボンシティ宣言をおこないましたが、「できることからコツコツと」では、目標は全く達成できません。本質的な転換を進める取り組みが求められています。実現にむけてどう取り組んでいくか、市長の覚悟を聞きます。

①向日市でどのような再エネの創出が可能か調査研究を進めること。新たな取り組みを進めるための、組織・人員体制の整備が必要です。
②取り組みには、市民の積極的な参画・協力が不可欠です。市民との連携についてどう進めていくか。
③市の電力調達においても、再エネ利用拡大の基本方針が重要です。来年度の電力調達方針について、どうするか。


■乙訓のごみ処理施設の整備-市民に説明を求める

昨年3月に、乙訓2市1町で構成する一部事務組合である乙訓環境衛生組合(クリーンプラザおとくに)が「一般廃棄物処理施設整備基本構想」を策定しました。ごみ処理施設(焼却施設、粗大ごみ処理施設、資源化施設、し尿処理施設)のすべてを建て替える、総額2百億円を超える組合発足以来最大規模の事業です。しかし市民にはほとんど知らされていないので、以下のことを求めます。
①ごみ処理施設整備のスケジュール、事業費規模と本市財政への影響は?
②今後事業計画策定、事業実施までに、市民意見が反映される機会はあるのか?
③向日市のごみ政策と財政に大きな影響を与えるので、計画策定の節目節目に、向日市議会に報告・説明すること。


■増える生活困窮者への支援-福祉なんでも相談窓口の設置を!

 新型コロナ感染症の影響に加え、物価高騰により生活に困難を抱える市民が増えています。生活困窮者支援のために実施されてきた生活福祉資金特例貸付は、昨年末で終了しましたが、その貸付件数は全国で335万件。返済が1月から始まりましたが、多くの方が返済できない状況のようです。
①向日市での返済困難者の状況は?こうした市民への相談・支援は?
②生活困窮される方が顕在化している一方で、生活保護の利用は増えていません。その原因は?生活保護の利用促進をはかること!
③福祉なんでも相談窓口の設置を!
 多くの市民が生活困難の課題を抱えています。ひきこもり当事者と同居の親が高齢化して孤立する8050問題などのように、複合的で多様となっています。市民が気軽に相談でき、制度の垣根を越えて対応できる「福祉なんでも相談窓口」の設置を求めます。


◆軍拡は嫌だ

 タモリが「新しい戦前」と、最近の岸田政権を表現したようだが、さすが上手いと思ってしまう。戦前を知っている者として、敵基地攻撃能力の保有をうたった「安保3文書」を閣議決定したことには驚いてしまった。台湾有事が大きく関わってくるということだろう。台湾に最も近い与那国島には、あっという間にミサイル部隊を配置する事になってしまった。初めは1700人の人口の島なので、自衛隊が来てくれることで人口と財源の増大を期待しただけだった。それがあっという間に、日米共同訓練が実施されたという。戦争になれば住民が一番の犠牲になるということを戦前の沖縄で学んだのに、どうなるのかと思ってしまう。
 それに戦争を知らない日本の若者が、軍拡に反対しないことだ。軍事費が拡大することで、市民の生活は圧迫される。日本は少子高齢化で社会保障費が増え、それに経済成長ができていない状態にあるのだが、岸田首相は国会の予算委員会で、敵基地攻撃の具体的な数など、詳細の公表を拒否したが、これによって国会が事実上防衛費の審議に関与できないのは異常である。これで日本は軍事だけが一人歩きする危険があるのではないか。
 ロシアとウクライナの戦いで、日本の軍拡に拍車がかかったのは確かである。この戦いについては、ロシアの専門家である小泉悠氏まで、ウクライナに戦うことを推奨しているのにはがっかりした。戦えば戦うほど、ウクライナが焼け野原になってしまうのではないか。ウクライナ東部のロシアに近いところをプーチンが欲しているんだったらあっさり与え、 戦争を終えるのが「負けるが勝ち」ではないかと思う。この交渉にあたる他国の賢人はいないのか。この戦争によって世界が混乱している時なのに。
 しかし日本では希望の兆しが出てきたようだ。「平和を求め軍拡を許さない女たちの会」の発足。たちまち人数が集い、「軍拡より生活」という呼びかけが始まっている。そして「新しい戦前」にしてはならないと誓っている。(2月20日)


◆武器はいらない!-「沖縄で戦争が始まる危機」講演とパレードを実施

 2月4日、沖縄ドローンプロジェクトの奧間政則さんを招き「沖縄で戦争が始まる危機」と題した講演会が市内で開催され、その後「武器はいらない!めしだ!」と訴えパレードしました。
 岸田首相は、軍事費を5年間で43兆円に拡大し、敵基地攻撃能力を保有すると言います。その最先端の沖縄で今、戦争への危機感が高まっています。
 奧間さんは20年以上前の9・11事件直後の新聞報道を示しました。事件の翌日、文部科学省が沖縄への修学旅行を見合せるよう指示を出したとの記事です。当時沖縄への観光旅行は軒並みキャンセルとなりました。基地のあるところが戦場になることを示すわかりやすい話です。那覇市では最近、一般市民や子どもも参加してミサイル攻撃に対する実地の避難訓練が行われたそうです。
 「なぜ大きな反対世論が全国で巻き起こらないのか?」との会場の質問に、奧間さんは「ひとりひとりが当事者として事実を広めてほしい」と訴えます。「若い人が無関心というが、事実を伝えられていないから。大人の責任だ」と。
 他国の脅威に軍備強化で対抗するのは当然のような風潮がありますが、軍拡競争を招き戦争の危機を高めるだけです。皆が自分事としてとらえ、「武器はいらない!命と生活を守れ!」の声を広げていきたいと思います。(杉谷)