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TOP>議会報告> ●PDFの報告書はこちら 【実施日】2024年10月7日~8日 【場所】 <1> 東京都狛江市 <2> 埼玉県戸田市 【報告1】東京都狛江市 (1)議会業務継続計画(BCP)について 狛江市議会では、災害時における議会運営のマニュアルがなかったが、議員からの要請により、昨年度議会業務継続計画を策定された。その経緯・目的と概要を聞いたので、そのポイントについて報告し、本市に活かしていく上での所感を述べる。狛江市BCPの詳細は「狛江市業務継続計画(BCP)」参照。 1. 狛江市業務継続計画のポイント (1) 市災害対策本部との関係 ・市災害対策本部が設置された場合、「狛江市議会災害対策連絡会」を設置し、議長がオブザーバーとして市災害対策本部に出席する ・議会災害対策連絡会は議員全員で構成し、 ① 災害対策本部と連携、情報交換をする ② 災害対策本部の災害対策活動を支援する ③ 市民への情報提供をおこなう (2)議会の役割 ・「市議会災害対策連絡会」を設置し、市本部が迅速な災害対応に専念できるよう、必要な協力・支援を行う。 ・そのため、議員から提供された地域の被災状況等の情報を整理し、市本部に提供する。また市本部からの情報を全議員に通知する。 ・国・都その他の関係機関に対して要望等を行う ・復旧・復興に向け、必要な予算を速やかに審議するため、議会機能の早期回復を図る (3)議員の役割 ・地域の災害救援活動、災害救援活動へ協力・支援する ・地域の被災状況等の情報を災害対策連絡会へ提供する (4)災害発生時における対応について ・災害発生時(発災時から概ね24時間)、応急活動期(発災時から2日~7日程度)、復旧活動期(発災時から8日以降)に分けて、①議会及び議員、②災害対策連絡会、③事務局職員がとるべき行動について記載 (5)本会議・委員会開催にむけた具体的対応 ・災害により正副議長や正副委員長に事故がある場合や、議場・委員会室が使用不能な場合や、災害対応との関係で執行部の出席をどうするかなど、具体的な事態を想定した議会運営のルールを規定 ・議案審議継続のための事業計画は、災害発生と定例会の時期的関係で、災害発生が、①告示前、②告示後、③本会議開会~一般質問前日、など6つのケースを設定して作成 (6)連絡体制 ・災害対策連絡会から議員への情報提供は、LINE WORKS掲示板等のSNSを通じて行う 2.所感 ・東日本大震災の後、議会業務継続計画の策定が全国的に進められたが、その時向日市議会でも検討課題にあがったものの、検討に至らなかったと記憶している。近年、台風・水害・地震災害の頻発と東南海トラフ大地震が襲来するリスクの高まりの中で、改めて本市議会においても策定の必要を痛感した。 ・以前、議会BCPについて学習した際には、論点は災害時における議会の役割、議員の役割、議会と災害対策本部の関係など、原則的なことがらについての検討・整理であったと記憶している。災害時に議員は地域の状況や住民の声を聞き、住民からその解決を期待される立場にあるが、各議員がその情報や要求を直接災害対策を実施する部門に持ち込めば、災害対策の実施に混乱をもたらす。その関係を整理し、議会の役割、議員の役割を定めておくことに主眼があった。 ・今回視察して注目したのは、それに留まらず、災害発生時に想定される事故と、その場合に議会をどう運営していくかのルールを、災害発生時期と議会開会の時期的関係など、極めて具体的な状況であらかじめ決めていることだ。緊急時に、運営ルールを協議している余裕はないが、すべてを議長に一任とはいかず、又議長が事故で不在の事態も十分想定される。こうした想定される事態に際しての運営ルールを定めておくことは、合議制の議会にとってはとりわけ重要であると思った。 ・この狛江市議会と、次の戸田市議会のBCPをモデルとして、本市議会のBCPの策定にすぐ着手する必要があると考える。 (2)本会議インターネット中継(ライブ中継)字幕配信について 狛江市議会は、本会議の配信を同時字幕付きでおこなっているが、その内容と課題について以下の通り聞き取った。 ・配信にはUDトークを使用 ・課題は、視聴者がアプリをダウンロードする必要があること。 ・対策として、アミボイスの使用を検討中とのこと。かなり正確とのこと。 【報告2】埼玉県戸田市 (1)議会業務継続計画(戸田市議会DCP)について 戸田市議会では、平成26年に、「災害発生時の対応要領」、「地震・風水害時の議員行動マニュアル」を策定し、支援本部の設置や、議員個人がどう行動すべきかなどを規定していたが、本会議の運営や議案審査をどうするかが不明確だったことから、新しい「戸田市議会DCP(注)」の策定を行った。その概要を聞いたので、【報告1】の狛江市議会BCPとの重複を避け、ポイントと所感を報告する。 (注)業務継続計画はBCP(Business Continuity Plan)であるが、戸田市議会では、議会制民主主義を維持させるための計画として、Democracyの頭文字をとって「戸田市議会DCP(Democracy Continuity Plan)としている。 1. 戸田市議会DCPの特徴 (1) 市災害対策本部が設置されると、議長の判断を要さずに、自動的に支援本部を設置する・・・より迅速な初動体制をめざす 本部長に就く優先順位を決めてある(議員全員分) (2) 「議決機関としての役割を果たすために」 ① 「災害時は議会どころではない」ではなく、「災害時こそ、市民代表である議会が、議決機関としての役割を果たすべき」 想定される状況をパターン分けしたうえでフロー図を作成することで、どの場面でもスムースな対応ができるように工夫 ② 緊急時でも機動的な対応を 会期の延長、延会および議案の撤回について議長の専決権を規定(のちに議会運営委員会の承認) (3) LINE WORKSを導入し、スムースな情報共有 LINE WORKSのアンケート機能を使い、災害時の情報共有を効率化 ① 議員の安否確認 ② 議員の被害情報の収集 (4) 災害時の運営方法は、議会運営委員会で協議 ① 委員の選任リストを作成 ② 通信インフラが機能しないなどの非常事態には、4日後の午前10時に参集することをルール化 ③ 原則オンラインで委員会を開催 いざという時にスムースにオンライン委員会が開けるよう、全議員を対象としたオンラインミーティングを毎月開催 (5) 3つの災害に対応した対応方針 ・地震、風水害、感染症蔓延の3種類の災害毎の対応マニュアルを策定 2.所感 ・狛江市議会BCPと同様に、災害発生時期と議会の開閉会の時期的関係で、具体的な対応マニュアルを作成しているが、狛江市議会BCPほどには時期を細かく区分しておらず、こちらの方がわかりやすいと感じた。 ・一方、地震、風水害、感染症蔓延の3種類の災害毎に具体的な対応マニュアルを策定しており、参考にできると思う。 (2)議会改革の取り組みについて <1> 委員会の年間活動テーマについて 戸田市議会では、平成15年より議会改革特別委員会を設置して、様々な議会改革に取り組んで来られたが、その中でも特に注目される取り組みとして「委員会が年間活動テーマを定めた取り組み」について学んだので、概要を報告し、所感を述べる。 1. 概要 ① 毎年2月から翌年1月までの1年間を活動期間として、4つの常任委員会が、それぞれ活動テーマを設定して年間活動計画を策定している。 ② 活動計画に基づき、執行部へのヒヤリングなど調査研究、市内外の現場視察、先進地視察、関係団体等との懇談、パブリックコメント必要な活動をおこない、委員会の協議等を経て、1年間の活動のまとめとして、1月に執行部への提言書を提出する取り組みをおこなっている。 ③ そのため、毎月1回~2回程度、委員会協議や視察を行っている。 ④ 執行部への提言の後はその検証を行い、検証結果報告書を作成している。 2. 委員会活動の具体例 (1) 健康福祉常任委員会「戸田版ネウボラの開設について」 3月:テーマの決定 4月:市内視察(市内福祉保険センター)、視察の検証 5月-6月:先進地視察(福島県伊達市・いわき市) 視察の検証、今後の検討 7月―9月:委員会協議 9月-10月:市内視察(駅前子育て広場、子育て支援センター、その他) 10月:先進地視察(埼玉県わこう市、東京都渋谷区) 11月―1月:「とだ版ネウボラの開設について」の提言書作成にむけた 協議 1月:「とだ版ネウボラの構築にむけての提言書」を執行部に提出 (2) 総務常任委員会「(仮称)ありがとう条例の制定について」 3月:テーマの決定 4月~10月:条例案及び逐条解説案の協議 10月~11月:パブリックコメント 11月:啓発活動(チラシ配布) 12月:パブリックコメントの結果を基に委員会協議 1月:条例案概要について、委員長が全議員に説明 2月:臨時会で「戸田市『ありがとう』を伝え合おう条例』を上程・可決 3. 所感 ・常任委員会が、所管事務に関して年間テーマを決めて調査、検討を行い政策提言をまとめるという取り組みは、聞いたことはあるが資料をもとに公式に説明を伺ったのは初めてであった。 ・市政の課題について、議会が主体的に調査し、施策を提言していこうという姿勢に、本市議会との大きな差を感じた。委員会がテーマをもち、1年間を通して活動していくことは大変な仕事だが、これが当然の活動でもある。政党・会派によって価値観や考え方に大きな差があっても、市民が直面する課題の解決するために、議員が折り合いをつけて一致点を作っていくことが求められる。本市においても取り組めるようにしたいと考える。 <2> 市民に開かれた議会の取り組みについて 1. 概要 戸田市議会から「市民に開かれた議会の取り組み」として、以下の4つの取り組みについてうかがった。 ①議会モニター制度 ②議会を知っtoco市議会見学ツアー ③中学生との意見交換会(とだみらい会議) ④政務活動費に係る情報公開 ① 議会モニター制度 ・議会報告会の実施について検討を行ったが、議会への関心が亜低い状況での実施は時期尚早と判断し、それに代わる形で平成23年に導入した。 ・任期は1年、モニターは募集15人に対し、応募3~5人とのこと ・議会運営に関する意見提出の他、市議会議員と年2回意見交換会を実施 ⇒令和5年から、グループワーク方式に変更 ② 議会を知っtoco市議会見学ツアー ・平成27年から、議会事務局が主体で実施。30分程度 ・誰でも何人でも団体でも申込可能。今年は学童約40人が参加 ③ 中学生との意見交換会(とだみらい会議) 中学生の新学習指導要領に主権者教育が位置づけられたことから、令和3年度に、中学生とのオンラインでの意見交換会を開催。令和5年度はグループ形式で、令和6年度は議会見学ツアー方式で実施。 ④ 政務活動費に係る情報公開 令和4年に議会アドバイザーからの提案で、事務局、議員双方の負担軽減、情報公開の質の向上を期待して、「政務活動費管理システム実証実験」に参加した。 2.所感 個々の取り組みの評価は別として、「市民に開かれた議会」にしていくために良いと考えたことは取り組んでみる、という姿勢に共感した。 本市議会においても、子どもたちの主権者教育に議会としても関わっていくことの大切さは、多くの議員の共通理解となっており、現在取り組みに着手したばかりだ。この機会に、まずは取り組んでみることからだと考える。 ページトップ webトップ |
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