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●原告・水島雅弘の陳述 ●原告・杉谷伸夫の陳述
原告(水島雅弘)意見陳述 全文
2025年12月10日
私は向日市住民、水島雅弘であります。
本日は口頭弁論にあたり、意見陳述の機会を得ましたことを感謝いたします。
さて本件訴訟の第一審は、令和6年5月16日、京都地方裁判所において、私どもの請求が認容され勝訴したものであります。
しかし向日市長は、大阪高等裁判所へ控訴したのであります。控訴審において、原審を覆すような新たな証拠があるようには思えません。控訴理由書をはじめとする控訴人の主張についても合理的理由はどこにもありません。強く棄却を求めるものであります。
向日市長は、本件固定資産税の課税にあたり、令和2年から3年にかけて、当該仮換地の現況及び使用実態を考慮せず、一般農地として固定資産課税台帳に登録したものであります。結果「みなす課税」を実施した場合の税収は少なく見積もっても年約900万円であり、従前地課税の税収年40万円、その差額年860万円を納税者は免れることとなったのであります。
向日市長は、租税公平の見地から「みなす課税」を実行すべきところ、これを怠ったのであります。
住民税収入の停滞傾向がある向日市民にとって、固定資産税収入の増大は感謝すべきことであります。課税が全市民に対して公平に実施されていないことは言語道断であります。即刻課税徴収し、市の必要な施策に活用すべきことは京都地裁で述べた通りであります。
ここに私水島、杉谷両名は、5万6千人の向日市民を代表して、本件固定資産税の課税は市長職権の範囲を逸脱し、濫用を行ったもので違法であるとの確認を求めるものであります。
公平で公正な判決を求めて陳述を終わります。
本日はありがとうございました 。
原告(杉谷伸夫)意見陳述 全文
2025年12月10日
原告の杉谷伸夫です。向日市議会議員をしています。
4年前、もう一人の原告である水島雅弘さんから、「日本電産(現在のニデック社)が開発し、社屋の建設を進めている広大な土地が、未だに農地として格安に課税されている。議会から是正を求めて欲しい。」と話がありました。これがスタートです。その土地は造成が終わり、建築工事がどんどん進行している段階でした。誰が見ても農地ではありません。ビルの建設が急ピッチで進むあの広大な土地が、まさか農地として課税されているなどとは、市民は誰も思っていませんでした。農地として格安の課税が違法におこなわれているなら、おそらく数千万円もの税の優遇になります。
私は議会の内外で、向日市に説明を求めましたが、向日市は守秘義務を盾に説明を拒んだため、やむなく裁判に至りました。
すでにこの裁判をおこなったことによって、市民にとって望ましい成果が出ています。京都地裁に提訴した翌年の令和5年、裁判継続中の段階で、向日市は早速税条例を改正し、使用収益開始を行った土地についてみなす課税を行い、現況に基づいて宅地または雑種地として課税しました。令和3年度から令和5年度の間でほとんど状況は変わっていないのですから、令和5年度に正しい課税ができたのであれば、令和3年度においてもできたはずであることは、一審判決でも述べられた通りです。
この問題の本質は明確です。「あの土地の現況は農地ではないが、農地として課税する法的な根拠を示してください」という裁判官の問いに対し、向日市は結局法的根拠を示すことができませんでした。「他でも同じようなことをやっている」ということを述べただけでした。
向日市は、本質的な質問に答えることができないまま、現況に基づく見なす課税を公平・公正に行うことが困難だとする技術的理由を次々に提出してきました。しかしこれらの理由は、全くの後付けの理由に過ぎません。何より、明らかに農地でない土地に、明確な法的根拠なく農地課税を行うことほど不公正なことはありません。いや、不公正ではなく違法なのです。
このような違法な課税を発見することができたのは、熱心な一人の市民による地道なチェックの結果ですが、偶然の発見でした。それは、向日市のような極めて小さな自治体で、ただ一社による大規模な開発が行われたために、発見が可能だったのです。例えば京都市のような大都市であれば、外部から一市民が発見することは、不可能に近いと思われます。ですから今回、様々な条件と偶然が重なったことで明らかになった違法な課税行為に対しては、「行政の裁量」を広く認めず、厳しく是正させることによって、行政の裁量で安易に優遇を行うことに対する歯止めを掛けていただきたいと強く要望します。
裁判長の公明正大なご判断をお願いして、私の陳述を終わります。
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